家庭崩壊?

ついに・・・・


リタイアしている友人が車椅子の父上を介護しているのに出会った連れ合いが、「家で看られれば、それが良いから引き取ろうか?」と言うので、朝から姑と三人で舅の病院へ行ってみる。
犬の散歩だけの毎日にも飽きたらしい。
大変なのは解っているので退院させる前に、外泊で様子を見てからとは考えていた。

手が痛いと整形外科を受診している舅を連れに行き、ベッドに戻って食事の様子を見せてもらう。
相変わらず、
「早くメシを作れ!」「早くメシをくれ!何をしちょるんか!」
の終わりの無い催促で、終いには苛立って暴言を吐く。食べさせて貰いながらも、
「これでは足らん、もっとくれ!」「早う、喰わせろ!」
と言いたい放題。
自分の事がやっとの姑は、早くもキレて「あんた〜、ちょっとは黙っちょりんさい」
連れ合いはキレそうなのを我慢している。
たった、30分かそこらでこれだ。



オムツ交換の時間まで居て、それも見せて貰う予定だったが
「連れて帰る勇気が有る?」
と聞くと二人共首を振る。オムツ交換時にも暴れて、介護士さんに蹴りを入れたりするそうだ。
親切そうな看護士さんが、
「私達は仕事ですから、やっていますがご家族ではとても無理です。家庭崩壊になりますよ」
と言われる。家族にとって介護は体力と忍耐力の限界との闘いに他ならないとの事。
病院内でも有数の難しい患者だとか。

(ほら〜、言わんこっちゃ無いでしょ)
と言いたいのをジッと我慢して病院坂を無言で下った。

現実は厳しい

楽しい話題で無くて申し訳ないが、これが老人介護の現実。
だから、どの家庭でも高額医療費に頭を抱えながらも仕方なしに入院させている。
このままで行くと、介護老人を抱えた家庭は、いや日本はどうなる事やら。
ピーカンのお天気にも拘わらず、眉は曇るのだった。