艱難己を玉にす

昨年暮れにご主人を亡くした友人と久し振りに出かけた。
何処にも行きたく無いと言っていたが少し元気を取り戻したようだ。
50代前半でのあまりに早いご主人との別離は、普段から優しい彼女を一層涙もろくさせていた。
ご主人に頼りきっていた彼女だが、「しっかりしてくれないと困るよ。もうお父さんは居ないのだからね」と娘さんにも言われたそうだ。
これからが、本当の意味での彼女の人生かも知れない。
花梨にとっては、彼女が近くなったようでもある。
人は自分の足で自分の道を歩かなければ、としきりに思うこの頃だ。