おかあさん

休みなので、先輩と徳山にショッピングと買い物に出かけた。
花梨とは20歳近く年長なので、仲間内の愛称の〔おかあさん〕と呼ばせてもらっている。
友人と言っていいのか先輩と言うべきか?
車での送迎は花梨がするが、いつも一緒に出かけるとお昼はご馳走して下さり何かしらのプレゼントも下さる。
今日は旅行の買い物だったので、旅好きで海外も広く歩いている彼女からアドバイスも色々貰った。
何より嬉しかったのは縮緬のベストを貰った事だ。
「こんな物を頂いては・・・・・」と辞退したのだがとうとう頂いた。
お金を持っていても、有効に使ってこそなのだそうである。
以前から思うのだが、実の母の他に〔おかあさん〕と呼べる人が居るのはとても幸せな事である。
食事の後、場所を変えて珈琲を飲みながら二時間近く、絵の事、本の事、テニスの事、生きる事などお喋りは尽きない。
「貴方を娘のように思っているのよ。」と言って下さるが、年長の友達は少しずつ体力が落ちるのを垣間見るのが辛い。
昨秋の二番目の父のような老師との突然の別れも辛かった。
雨の日に一人で過ごすのが苦手な方だったので、今も雨が降ると電話が来るのではないかと思ったりする。
〔おかあさん〕との別れが少しでも遠い先である事を祈るのだった。